インプラントが絶対だめって本当?歯医者が解説

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なぜ「インプラントは絶対だめ」と言う人がいるの?

インプラントは絶対だめと言われる理由を検証

インプラント治療が心配される点

インプラント治療が絶対だめと心配される点は主に、外科手術のリスク・費用面の懸念・長期的な経過観察、この3つが挙げられます。外科手術に関しては一定のリスクは考えられますが、インプラントを選択すべきか、どのような点に気をつけるべきかを知っておくことで絶対にだめということはないでしょう。

また、費用や経過観察などご自身の今後の口腔内の状態や生活面を考えて考慮する点なので、絶対にだめというような理由にはならないかと思います。それぞれのリスクやデメリット、メリットも含めて解説していきますので、失ってしまった歯にインプラントをお考えの方は、参考にしていただければと思います。

困った女性

インプラント治療の外科手術のリスク

インプラント治療は外科手術を伴う治療です。失ってしまった歯のかわりに人口歯根を埋入し、その上に人口の歯を装着する治療方法です。歯茎を切開して、顎の骨に穴を作り人工歯根を埋め入れます。そのため、考えられるリスクとしては、細菌感染・顎の骨近くの神経の損傷があります。

細菌感染

細菌感染した口腔内のイラスト

歯茎を切って手術行うために細菌感染を起こす可能性や、埋入後にインプラント周囲炎といって人口歯根の周囲が歯周病菌等によって炎症を起こしてしまう場合があります。これらのリスクを高める要因としては主に、

  • 口腔内環境の不衛生
  • 喫煙
  • 持病
  • 免疫力の低下
  • 手術技術

などがあげられます。インプラント周囲炎が発生する確率はインプラント単位で8.6%という数値(※1)があります。

また、高める要因の中には、口腔内の不衛生や喫煙など外科手術後のコントロールやメインテナンスの有無にも影響するものがあることがわかります。

細菌感染を抑制するには

歯科の定期健診中の写真

感染を回避するためには

  • 歯磨きやデンタルフロスなどの正しいセルフケアを心がける
  • 定期的に歯科医院でクリーニングを受ける
  • 喫煙を控える
  • 持病をコントロールする
  • インプラント体や手術技術を選ぶ際には、信頼できる歯科医院で相談する

これらを行うことが大切になります。

口腔内を不衛生にしないようにセルフケアを行い、定期的なプロのメインテナンスや初期治療で、感染リスクを高める要因をできるだけ排除していきます。

これらをしっかり行っていれば、感染が原因で「インプラントが絶対にだめ」ということにはならないと考えられます。

(※1)インプラント周囲炎の発症率についても、過去の報告と同程度であり患者単位でも

神経損傷

インプラントと口腔内の神経のイメージ

インプラント治療は、顎の骨に人口歯根を埋入するため、その周囲にある神経を損傷するリスクがあります。下顎の神経は、顎の骨の中を走っており、歯肉から頬や唇、舌などの感覚を伝えています。

インプラントを埋める際に、この神経を傷つけると、感覚の麻痺や痛みなどの症状が出ることがあります。

技術力や経験、口腔内の状況によっても異なりますが、外傷や智歯抜歯、インプラントの手術など外科処置によって発症する神経損傷は0.38%〜6%程度と報告(※2)されています。

0.38%〜6%がインプラント治療を「絶対にだめ」と言うほどの確率かどうかはさておき、リスクがあることは事実ですので、このリスクを回避することが重要になります。

神経損傷のリスクを抑制するには

歯科医師と患者の握手写真

神経損傷のリスクを抑えるために必要な点としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 診断機器・診断力
  • 手術技術
  • 患者様の骨の質や量

神経損傷を防ぐためには、CTなど神経を位置を確認できる診断装置や、無理のない治療計画、そして術者の手技や患者様の骨質に対応できる経験や知識などが求められます。

そのため、患者側があらかじめ確認しておくと良い情報として、「CT診断装置の有無」や歯科医師の経験、あるいはそれを助けるためのガイデッデッドサージェリー(インプラントの埋入シミュレーション)の使用の可否などを確認しておくことで、リスクの高い治療やクリニックをを避けることができます。

(※2)外傷や智歯抜歯後などの外科処置を契機に発症する口腔領域の神経障害性疼痛は0.38〜6%に生じると報告されている

インプラント治療の費用面の懸念

インプラント治療は重大な病気や事故による顎の骨の損傷などを除き、治療費は公的保険の適用外となります。そのため、一般的な歯科治療(保険治療)に比べて高額となります。

ただ、考え方によってはそれだけ高額にしても「入れ歯よりはいい」「ブリッジにするために天然歯を削りたくない」という考え方もあります。

費用を抑える方法としては、医院によって分割やデンタルローンなどが用意されている場合もあり、手元にお金がなかったり、大きな出費を抑えたい場合などはこれらを利用するこで無理なく治療を受けられる場合があります。

また医療費控除という、一定の金額を超える医療費を申請することで国からその一部を還付・控除される仕組みもあります(詳しくはこちら)。

費用をかけてでもインプラントにするか、歯にそれほどの費用をかけるべきではないと考えるかは個人の判断ですが、費用で決めるのではなく、これからの自身の生活やライフスタイルを考慮して、じっくり検討してみてはいかがでしょうか。

歯と支払い費用のイラスト

治療の期間と長期的な経過観察

インプラント治療は人工の歯根を顎の骨に埋入しますが、その人工歯根と顎の骨がしっかりと結合するまでにおよそ2ヶ月〜半年程度を要します。

また、顎の骨の量が少なかったり薄かった場合に骨を造成し増やす必要があれば、さらに治療期間は長くなります。

その後、良くなった口腔内を保ち、埋入したインプラントを長く使うためには、定期的に歯科でメインテナンスを受診するなど、長期的な経過観察が必要になります。

しかし、定期的な歯科でのメインテナンスは、何も「インプラントを長く使うため」に限ったことではありません。残った天然の歯を長く使うためには、年に3〜4回の歯科受診が望ましいと言われています。そのため、長期的な経過観察に至っては、インプラント治療は絶対にだめという程の懸念事項にはならないと言えます。

カレンダー・時計と困った女性

インプラントが絶対だめという評判を再評価しょう

インプラント治療とその他治療の比較

ここまで、インプラントがだめという理由を見てきましたが、全ての人にとって「インプラント絶対にだめ」と言われる理由にはつながっていません。

そこで、ここでは反対にインプラント治療のメリットと加えてインプラント治療以外の選択肢の入れ歯とブリッジのメリットデメリットも解説していきます。

歯が抜けてしまった後の治療のそれぞれのメリットとデメリットを知っていただき、ご自身が見た目が気になるのか、機能面が気になるのか、費用が気になるのか、期間が気になるのか、その希望等を加味して最終的には治療を選択しましょう。

インプラント埋入の模型写真

インプラントのメリット

歯の機能の回復と審美性

インプラントの構造は、人工歯根の上に人工歯があります。この構造は天然歯と同じような構造で、入れ歯やブリッジのように支えが他の天然歯となってるものと違うため、しっかりと噛むことができるようになります。

また、人工歯根と人工歯がしっかりと一体となり、人工歯の形状も精密に作られているため隙間などもなく発音や滑舌をスムーズに行えます。

形状だけでなく、色も天然歯に近づけることができるため、見た目にも優れた治療方法になります。

そのため食事や見た目、お話をよくするなどこれらの優先順位が高い場合にはインプラント治療はメリットの大きい治療と言えます。

見た目が綺麗になって喜ぶ女性

残存歯への負担軽減

入れ歯の場合は天然歯を少し削り金具をひっかける必要があり、ブリッジの場合は天然歯を大きく削り土台としていますが、インプラントはそれ1つで人口の歯と成り立っているため、他の歯にほとんど負担をかけることがありません。

更に、インプラントを埋入することで咬み合わせを維持することができ、咬合崩壊(歯を失うことで咬み合わせが崩れること)を防ぎます。

また、3つの中では唯一人工の歯根があるため、噛むことで顎の骨に力が加わるため骨や筋肉の強化をし、顎の骨が痩せてしまうことを防ぎます。

入れ歯のイメージ写真

インプラント・入れ歯・ブリッジの比較

項目/治療方法 インプラント ブリッジ 入れ歯
見た目 天然歯に近い 自由診療 天然歯に近い
保険 目立つ
留め金が目立つ
食事
天然歯とさほど変わらない

天然歯とさほど変わらない

熱と味を感じにくい
咀嚼力 最も回復する 回復する 咀嚼力が落ちる
発音・滑舌 影響がない 空気がもれ発声しにくい場合がある サ行タ行に困る場合がある
耐久性
一般的な耐用年数
10年以上 7〜8年 5〜6年
治療費 高い 自由診療 やや高い
保険 1歯欠損2万円程度
保険で1歯欠損5,000円程度
治療期間 長い 2ヶ月〜1年 自由診療 2〜3ヶ月
保険 1〜2ヶ月
自由診療 2〜3ヶ月
保険 1〜2週間
隣在歯への影響 ない 大きく削る やや削る場合がある

インプラントを選ぶべきか、2つの判断基準

インプラント治療が絶対にだめと言われる要因とインプラント治療のメリット、それ以外の治療方法のメリットデメリットを見てきました。では、実際にインプラント治療を選ぶべきか、またインプラント治療を選んだ際にはどんなことに気をつけるべきか、以下の2つの判断基準を大切に考えていただくのが良いかと思います。

治療の目的と優先順位の明確化

歯を失ってしまった後の治療を選ぶ際には、ご自身が治療に求めることの優先順位を明確にする必要があります。

例えば、笑った際や話をする際に見える位置の場合には見た目を重視する方が多くいらっしゃいます。他には、食事をすることが好きな方はどんなものでも食べられる治療を重視する。できるだけ費用を低く済ませたい。周囲の健康な歯になるべく負担をかけたくない。などそれぞれのご希望と優先順位を明確にして、納得した治療を選択することが望ましいです。

当院の場合は、インプラント相談やカウンセリングというお話をする時間を設け、患者様の疑問に対してお答えしたり、治療のご希望をお聞きし、患者様と相談しながらそのお話の内容に沿って、今後の治療計画を複数プランご用意し、最終的に患者様に治療計画をご選択いただいています。

それぞれにメリットデメリットがあるため、全てが叶う治療計画とは行かない場合をありますので、複数のプランの中から患者様自身が選ぶことで、より納得のいく治療を選択していただくことになります。

歯医者で治療選択を考えるための優先順位のイラスト

信頼できる医院の選定

実際にインプラント治療をしたいけど、どこの歯科医院を受診したらいいのか?と悩まれる方もおられると思います。インプラント治療は専門的な知識と技術が必要な治療となるため、経験や実績などを確認されることが重要です。

インプラント治療を行っている歯科医院の多くは、HPや医院の冊子などに治療の実績や使う設備など様々な情報を掲載しています。

ただし、いくら経験や実績があっても、ご自身が信頼できる歯科医師であるかとうかは話は別です。

まずは受診してみて、不安なことや疑問に対して、質問したり・気にかけてくれるような相談のできる歯科医院を選びましょう。

しっかりと説明する歯科医師の写真

「インプラントがだめ」ではなく治療を断られた

インプラント治療を断られる理由

インプラントが絶対にだめと言われる理由に納得しインプラント治療を選択しようとtても、そもそもインプラント治療を以下の2つの理由で断られてしまう場合があります。

  • 顎の骨が薄い、少ない
  • 全身疾患の影響
バッテンを手で作る歯科医師

顎の骨が薄い、少ない

インプラント治療は顎の骨に人工歯根を埋入ため、そのスペースが確保できないと治療をすることができません。しかしながら、骨造成といって人工的に骨補填剤を使うことで骨を増やし治療を可能てきる場合があります。骨造成はさらに専門的な知識や技術が必要になるため、受診先によっては断られる場合があります。当院では多くの骨造成に対応していますので、もし骨が足りずインプラント治療を断られた方はお気軽にご相談いただければと思います。

歯が抜けた箇所の骨が少ないイメージ写真

全身疾患の影響

インプラント治療をすることで疾患に影響を与えてしまうことや、疾患や服薬中のお薬等の影響で顎の骨とインプラントが結合するのを妨げてしまう、切開した箇所の治癒に時間がかかってしまう場合があります。そのため、何か疾患をお持ちの場合や服役中の薬がある場合は必ず担当医にお伝えしていただく必要があります。

事前に知っていれば、治療が可能なることや、疾患の担当医と相談することで、服薬などをコントロールをすることができ、治療可能になる場合があります。

歯科医師が患者に説明するイメージ写真

インプラントを選択するための心構え

最適な治療を選択していただくために

このようにインプラント治療が絶対にだめという根拠はありませんでしたが、リスクは存在します。また、歯を失ってしまった後の治療それぞれにメリットもデメリットもありますので、ご自身が納得した治療を選択していただくためには、リスクも知っていただき、その上で希望を明確にし、それを伝え相談できる歯科医師に出会うことが必要です。

当院ではインプラント無料相談も実施しておりますので、ご自身の場合はどんな治療方法が必要か気になる方やインプラント治療が気になるけど話を聞いてみたいという方は、WEBからのご予約の場合は備考欄にインプラント無料相談希望と記載いただくか、電話でのご予約の場合はインプラント無料相談希望とお伝えいだき、気軽に相談へお越し下さい。

インプラントOPE中のイメージ写真
この記事の編集・責任者は歯科医師の内藤詩です。
DR内藤
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インプラントが絶対だめって本当?歯医者が解説 | 公開日: 2023/10/26 | 更新日: 2024/03/18 | by アップル歯科伊丹駅前

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