アップル歯科伊丹駅前 歯科医師
インプラントは入れ歯よりも安定感が高く、ブリッジのように周りの歯を削る必要がない優れた治療です。しかし、骨に固定する必要から、しっかりとした骨の厚みがあることが治療の条件になります。
骨の厚みが少ない方でも治療ができるようにする骨造成のうち、上顎に対して行う「サイナスリフト」についてご説明します。
インプラント治療とは、歯が根本から抜けてしまった際、抜けた位置の顎の骨に人工の歯を埋め込むことで天然歯に近い形状・感覚の歯を取り戻す治療です。インプラントは顎に固定するため安定感が高く、外れる心配もほとんどありません。
抜けた歯の治療には入れ歯やブリッジなどの選択肢がありますが、その中でも最も天然の歯に構造や見た目を天然歯に近づけることができるのが、インプラント治療です。
しかしインプラント治療は、顎の骨に固定するという治療の特性上、骨の厚みや量が足りないと治療を受けることができない場合があります。
そんな骨に厚みがない場合でも、人工的に骨を作る骨造成という施術を行うことで、骨量の問題でインプラント治療ができない方でも、インプラント治療が可能となる場合があります。
ここではそんな骨造成の中でも、とりわけ技術力が必要とされるサイナスリフトについて説明します。
頭蓋骨の中にはいくつか空洞があり、上顎の上側には上顎洞という空間があります。歯を支える上顎の骨と上顎洞までの厚みには個人差があり、中にはその厚みがインプラント治療に適さないほど薄い方や、歯周病や欠損後の放置によって顎の骨が吸収されてしまったことで、インプラントを埋入する骨量を確保出来ない場合もあります。
そこで、その足りない部分に骨造成を施し、インプラント治療可能にするのですが、その中でも上顎の広範囲の欠損に対して行う骨造成手術に「サイナスリフト(上顎洞底挙上術)」と呼ばれる手術があります。
上顎洞と上の歯が生えている上顎の厚さには個人差があります。元々厚みが少ない場合もあれば、歯が無かった期間が長いことで骨の吸収が起こってしまったり、歯が抜けた後の放置、加齢や病気よって後天的に骨が薄くなることもあります。(※1)
そして、埋め込むインプラントには様々な形・長さがありますが、一般的におよそ10mm程度の長さがあるため、それよりも骨の厚さが薄いとインプラント治療が難しくなります。
このように、インプラントを埋め込む厚さが足りない場合に限って、サイナスリフトなどの骨造成手術を行います。
参考文献※1)上顎臼歯部におけるインプラント治療は、歯の喪失による骨のリモデリングと上顎洞内の含気化による経年的な増大により歯槽骨の高径不足が生じることから、上顎洞底挙上術が必要となることが多い。
サイナスリフトはインプラント治療を希望される患者様の中でも、上顎の骨の厚みが足りない場合に行う骨造成の方法です。骨の厚みが十分にある場合に行う必要はありません。下顎の骨が足りない場合などは、別の骨造成手術が適用されます。
特にサイナスリフトは骨の厚みが極端に少ない場合に適用される治療で、当院では骨の厚さが4mmを下回る場合や、隣接する複数の歯が欠損している場合に選ばれることが多いです。症状によっても条件が変わりますので、サイナスリフトが適用できるかどうかは詳しい検査が必要です。
サイナスリフトが必要と判断された場合、主に2回以上の手術が必要になります。
骨を増やす必要がある箇所の側方(歯茎側)に穴を開けることで、入口を確保します。上顎洞はシュナイダー膜という柔らかい膜に覆われており、その膜と既存の骨の間に骨補填材(骨を形成するための素材)を入れます。
骨補填剤は時間の経過によって既存の骨と一体化していきます。これによって、インプラント治療を行うために必要な骨の厚さを獲得することができます。
通常、骨補填剤を入れる手術とインプラントを埋め込む手術は期間をあけて別日程で行われます。個人差や術後の状態によってその期間は異なりますが、3ヶ月〜6ヶ月程度期間をかけて、骨補填剤が骨と馴染むまで待機する必要があります。
この期間にしっかりと骨を形成させることで、インプラントを埋め込んだ後の固定や安定感を作り出すことができます。
免荷期間の後にインプラントを埋め込む手術を行います。チタン製のインプラントは、埋め込んでから数ヶ月ほどで顎の骨と密接に固定されていきます(オッセオインテグレーション)。
インプラントの固定が確認できたら、最終的な上部構造(被せ物)を装着して治療が完了となります。
サイナスリフトを利用したインプラント治療は、通常の埋め込み手術に加えて骨造成の手術を追加で行うため、骨造成手術の失敗や手術後の感染症リスクは増えると言えます。
しかし、サイナスリフトを利用した治療そのものは一般のインプラント治療と残存率に差は無いとされる研究も複数あり(※2)、確かな診断の元で執り行うことで骨が薄い方でもインプラントの恩恵を受けることができると言えます。
参考文献※2)2006年に開催されたAOコンセンサス会議では、1980~2005年の25年間に学会誌へ掲載された論文のシステマティックレビューが行われた。その結果、サイナスリフトに関して1980年から数多くの報告があり、サイナスリフト部に埋入されたインプラントの残存率(5年以上)は使用された移植材料にかかわらず、既存骨へのインプラントの成績と同等なものと考えられると述べられており、サイナスリフトはインプラント治療のための骨造成法のなかで最も予知性の高い手法の一つであると結論づけられた。
インプラント治療・サイナスリフトは自由診療のため、全額自己負担となります。当院ではクレジットカード支払いをはじめとした複数の支払方法をご用意しております。
また、デンタルローンなどを使った分割払いのプランも取り扱っているため、個人に合わせた支払い方法を柔軟に選択できます。
1本:374,000円〜
539,000円(税込)
※トータルフィー
(手術費・補綴費等を全て含んだ費用)
1箇所:165,000円〜
222,000円(税込)
※検査の上見積もり
約6ヶ月〜
※個人差により期間は増減します。
サイナスリフトやソケットリフトなどの上顎に対する骨造成手術は、どんな歯科医院でも行える手術ではありません。
インプラント治療そのものを取り扱っていない医院も多く、さらに骨造成も行える医院はもっと限られています。「骨が少ない」と言われたことがある場合、サイナスリフトや骨造成を行っている歯科医院を探す必要があります。
当院では勤務する歯科医師が同じ水準の治療を行えるように日々セミナーやトレーニングで技術を磨いており、インプラント治療や骨造成手術についても確かな技術・実績があるため、安心して骨造成手術を行うことができます。
サイナスリフトは、上顎の骨の厚さが極端に少ない場合に適用できる治療法です。そのような状態ではない場合、そのままインプラントを埋め込むか、他の骨造成手術が選ばれます。
骨の高さが少し足りない場合や単冠(1歯)のインプラントの場合は、主にソケットリフトという骨造成を行います。サイナスリフトよりも増やせる骨の量は少ないですが、より外科的処置の少ない治療法です。
下の顎に対しては、GBR(骨誘導再生法)という骨造成を行います。歯茎と骨を遮断する膜を用いて骨の再生する場所を確保する治療法です。
どの骨造成手術が優れているという訳ではなく、患者様の症例に合わせて最適な方法を選択していくことが重要です。
上顎の骨を増やすための骨造成のうち、サイナスリフトとソケットリフトとはよく似ていますが全く異なる施術です。
サイナスリフトになるか、ソケットリフトになるかは診断によって決まることですが、骨の厚みが極めて薄い(4〜5mm以下)場合や、連続した複数歯の欠損の場合、サイナスリフトの方が適しています。
また、アプローチ方法も異なり、歯茎の横からアプローチするのがサイナスリフト、抜歯窩(抜歯をしたあとの穴)からアプローチするのがソケットリフトです。ソケットリフトはサイナスリフトに比べて身体への侵襲が少なく、回復も早くなります。
インプラント治療や骨造成手術は公的保険の適用がない自由診療のため、一般的な治療よりも高額になります。治療期間も非常に長いため、治療を踏みとどまられる方も多くおられます。
また、更に骨造成などの手術が加わると、更に費用や期間も大きくなります。
そうなると、「自分の治療はいくらになるんだろう?」「自分の場合骨造成は必要なのかな?」など、様々な疑問も湧いてきます。
そのためにも、当院ではインプラント無料相談を行っております。相談では、インプラントの治療の問題だけではなく、骨造成や費用についての相談も承ります。
当日に治療をするかの決断を迫るものではありません。インプラント治療に対する疑問や不安などをお話できますので、お気軽にご来院ください。
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インプラント治療の骨造成「サイナスリフト」について | 公開日: 2023/11/27 | 更新日: 2024/12/03 | by
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