口ゴボとは、一般的に口元が前に突出した状態を総称して「口ゴボ」と呼ばれています。
口ゴボという言葉自体に定義はなく、「ここがこうなら口ゴボ」という決まりはありません。そのため、見た目で口元が前に出ているような顔立ちだと「口ゴボ」と言われたり感じたりすることがあります。
傾向としては、咬み合わせの分類でいう「上顎前突」や「上下顎前突」などが「口ゴボ」と言われる事が多く、「出っ歯」と言われる場合もあります。
日本人はこの「上顎前突」「上下顎前突」の咬み合わせが多く、平成23年の調査では7人に1人が上顎前突だったそうです。
参考:口ゴボとは
※1)オーバージェットの分布(人数)6 mm以上12.9%
口ゴボの原因は、大きくわけて3つあります。
1つは骨格的な問題で遺伝や生まれつきの顔立ちの問題、もう一つは咬み合わせの問題で、こちらは遺伝による先天的な原因と、習癖(くせ)による後天的な原因があります。そして最後に軟組織の問題。これは、歯や骨格ではなく、皮膚や唇・鼻などの軟組織による問題です。
骨格的な問題や遺伝、軟組織による原因を回避することは難しいですが、後天的な原因は回避することができます。
口ゴボ(上顎前突や上下顎前突)になる習癖は、指しゃぶりや爪噛み、舌癖(舌で歯を押すくせ)口呼吸などが代表的です。例えばお子様がこのような癖がある場合、早めにやめさせてあげなければ将来的に口ゴボ・出っ歯になってしまう恐れがあります。そのまま咬み合わせが決まってしまうと、口ゴボを治すのには医科・歯科による介入が必要となってしまいます。
口ゴボで悩む人はとても多いですが、「口ゴボだけど美人な人」というのも一定数存在します。実際に芸能人やモデルの方の中にもたくさんいらっしゃいますが、多くの場合あまり口ゴボを気にされていません。
口ゴボだけど美人に見える特徴として「笑顔が多い」というのと「口ゴボだけど歯並びは良い」ことが挙げられます。また、口ゴボにも程度があり、極端に前歯が突出している場合や歯が大きく見える場合などは、美人として見られる可能性は低いようです。
口ゴボの正体は主に上顎前突や上下顎前突です。これらは咬み合わせの分類において「不正咬合」と言われるもので、歯並びや咬み合わせの状態が良くない状態です。
そのため、状態によっては歯列矯正をした方が良い場合があります。不正咬合の多くは直ちに何か影響があるというより、将来的にお口や身体の健康に影響が出る場合が多いです。
また、不正咬合は身体的なダメージだけでなく、その見た目により精神的なダメージを受ける場合があります。「出っ歯」「口ゴボ」は状態によっては周りからからかわれたり、自分自身で気にしてしまうコンプレックスになることがあります。
お顔のコンプレックスは時として笑顔を奪ったり、性格にも影響することがあります。口ゴボ・出っ歯を気にするあまり、人前で笑えなかったり、人と接することに嫌悪感を覚えてしまうこともあります。結果として笑顔が減り、人からの印象は更に悪くなります。そのため、口ゴボがコンプレックスになるようでしたら、早めに治療をすることで、心身ともに良い影響を及ぼすことが考えられます。
口ゴボだけど美人・キレイと言われる人でも、上顎前突や上下顎前突のリスクは同じです。具体的には口が閉じにくいために細菌が繁殖しやすい虫歯・歯周病・感染症リスク、咀嚼や発音の障害、前歯の外傷リスクなどがあげられます。口ゴボの程度が軽くても、矯正した方が良いかどうかは、一度歯科医師と相談したほうが良いかもしれません。
口ゴボはお顔全体の印象のため、治すには美容整形を考える人もいらっしゃいます。しかし、口ゴボの原因の多くは歯や歯並びが原因で、それは歯科にて治療ができることが大半です。
歯科での口ゴボ治療は主に歯列矯正となりますが、歯列矯正は美容成形ではなく不正咬合の治療です。
そのため、見た目が良くなるだけではなく、咀嚼力が良くなったり、悪かった滑舌が改善したり、将来的に歯を長持ちさせることに貢献することもあります。
咬み合わせを考えた歯列矯正は、見た目の改善以上に、あなたにとって良い結果をもたらすかもしれません。
口ゴボを形式的に測定するのにEラインを目安にする方法があります。Eラインとは「下あごの突端部と鼻先を結んだ線」のことで、上唇と下唇がこの線よりやや内側にある口元が理想とされています。逆に、この線より外側に唇がはみ出すと、口ゴボといえる顔貌となります。
Eラインは、歯列矯正で改善出来る場合があります。全てのケースにおいて理想的なEラインになるというわけではありませんが、少なくとも上顎前突・上下顎前突の歯列矯正では、このEラインを意識して治療計画を立てていきます。
歯列矯正や歯並びを治すだけではなく、理想的なEラインへと導くこともできる治療です。
口ゴボを治すには、選択肢として歯医者での歯列矯正と、美容整形があげられます。また、歯医者の治療であっても、状態によっては顎の骨を切って治療する「外科矯正」や美容歯科などによる「骨格整形術」などが必要になる場合があります。
ここで注意しなければならないのは、咬み合わせの問題です。特に美容整形や骨格整形術の場合、しっかり咬み合わせが考慮されない場合もあります。そのため、見た目は治っても咀嚼や咬合に問題が出たり、咬み合わせに問題が生じることで顎関節に問題が出たり、将来的に歯が抜けていく原因になることもあるので、十分な説明を受けて治療の是非を判断する必要があります。
また、いずれの場合も、口元を引っ込めて歯を並べるためには、治療に合わせて抜歯をすることが多いです。歯を抜くとなると、躊躇されるかたもいらっしゃいますが、最低上顎12歯、下顎12歯あれば、問題のない咬み合わせを作ることができます。
マルチブラケットという装置を歯に貼り付け、そこにワイヤーを通して引っ張ることで矯正力をかけて歯を動かします。あらゆる症例に対応しており、上顎前突・上下顎前突の治療でも実績の多い治療です。
ほぼ透明のマウスピース型矯正装置を、歯が動くように少しずつズレを作って作成し、このズレに向かって歯に力がかかることで歯を動かします。口ゴボ治療には、適応する場合としない場合があります。
咬合育形成と言って、歯が列ぶ歯列弓を、装置を使って広げてあげることで歯が列ぶスペースを確保する方法です。歯を動かす成人矯正と異なり、顎の成長を助けることで適切な咬み合わせを作っていきます。
顎が下がるように顎の骨を切断し、つなぎ直すことで骨格を改善する治療です。歯列矯正と併用して行います。口ゴボの場合、咀嚼や発音に問題がある場合は、保険適用での治療が可能となります。
Before
After
治療の内容 | 矯正用アンカー4本を使ったワイヤー矯正(マルチブラケットシステム)。 |
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期間・回数 | 4年3ヶ月・33回(カウンセリング・検査含む) |
費用 | 自由診療:マルチブラケット矯正(クリアタイプ)+矯正用アンカー✕4本 総額 920,000円(税込1,012,000円)(調整料28回分含む) |
リスク・副作用 |
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口ゴボで悩まれている方のほどんどは、その見た目を気にされることがほとんどです。その上で、咀嚼がしっかりできないことや、発音に影響することもさらに悩みを深めてしまう原因となってしまいます。
また、見た目の悩みはコンプレックスとなり、笑顔が少なくなったり、人前で口をかくしたり、人との会話が苦痛になったりと、性格や日常生活にまで影響してしまう人も少なくありません。
しかし、同じ口ゴボでも「美人」と言われる人たちは、笑顔が絶えない方が多くおられます。つまり、大切なのは笑顔でのコミュニケーションで、人前でニコニコしている人ほど、周りからの印象が良くなる傾向にあります。
口ゴボを気にされるお気持ちは充分理解できますが、笑顔を失うことは、更にあなたの印象を悪くすることにもなってしまいます。
とはいえ、口ゴボで悩んでいる方に「気にせず笑顔で過ごそう」といっても、難しい人が大半ではないでしょうか。それなら、一度歯列矯正を検討してみてください。
「今抱えているその見た目の悩みがなくなれば」「人前で口元を気にせずにいられるようになったら」「褒められる口元になったら」、想像すると気持ちが明るくなりませんか?
もちろん、美容整形も選択肢の一つかもしれませんが、顔を変えてしまう前に、「不正咬合の治療」をするだけで口元がキレイになるのなら、骨を切ったり顔立ちが変わるなどのリスクを避けることもできます。
歯列矯正であなたの口元がどう変わるのか、費用がいくらでどの程度の期間を要するのかなど、一度ご相談にお越し下さい。当院では、歯列矯正は無料相談も承っております。
この記事の編集・責任者は歯科医師の内藤詩です。
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