臭い玉がない人の特徴・ある人の特徴と、臭い玉を作らない方法
臭い玉(においだま・くさいだま)というものをご存知でしょうか。喉の奥にできる白い玉のようなもので、実はものすごく強い匂いを発するものです。
この臭い玉は、全ての人にあるわけではありません。私達歯科医は、毎日何十人ものお口の中を見ていますが、臭い玉がある人は、おおよそ3〜4割ぐらいに感じます。
傾向として、定期的に歯科に通っていて、プラークや歯石が少ない人は、臭い玉がない場合が多く、口臭も少ないです。
つまり臭い玉や口臭は、お口の中の清潔な人ほど少ないと考えられます。ここでは、そんな気になる臭い玉について、歯医者さんからのアドバイスをさせていただきます。
臭い玉というのは「造語」で、本当の名前は膿栓といいます。
喉の奥には、扁桃腺というリンパ球が集まる組織があって、その表面に陰窩という小さなくぼみがたくさんあります。
この陰窩にできる白い塊を膿栓と言い、強い匂いを発することもあることから「臭い玉」と呼ばれています。
扁桃腺は、免疫を司る働きを持つため、お口から入ってきた細菌やウイルスなどから身体を守る役割を果たしています。そのため、この扁桃腺付近には、自然と細菌やウイルスの死骸がたまりやすくなります。
そして、その細菌やウイルスの死骸や排泄物が陰窩というくぼみにはまり、やがてカルシウムやミネラル成分によって固まっていきます。その塊が膿栓、すなわち臭い玉となります。
また、残念なことにお口の中には数百種類の細菌が1,000億以上も生息していると言われています。つまり、これらの細菌が死ねば陰窩にたまるため、口腔内は膿栓ができやすい条件が揃っていると言えます。
臭い玉の直接の原因は口腔内の細菌やウイルスです。これが死骸となり、ガス(硫化水素・スカトール等)を発生するために潰すと強い臭いが発生します。
実は口臭を問わず悪臭の多くは細菌や微生物に起因することが多くあります。これは細菌や微生物が酸性する物質や死骸などの腐敗臭が原因です。臭い玉もこれと同じで、口腔内の細菌が産生する代謝物・排泄物や、死骸の腐敗臭が、臭いガスとなって発生し、それが膿栓の中に閉じ込められている状態です。
そして膿栓(臭い玉)を潰すとガスが外に漏れるため、強い臭いを発して不快な口臭へとつながることがあります。
臭い玉はお口の中に出来るため歯医者で取れると考えている人も多いようです。実際、お越しになられた患者さんから、「臭い玉を取ってほしい」と言われることも少なくありません。
しかし、残念ながら歯医者で臭い玉を取ることはできません。臭い玉は「喉」にできるもののため、歯科ではなく耳鼻咽頭科(医科)の領域となります。
ただ、歯医者が臭い玉に対して何もできないということではありません。臭い玉を予防する・防ぐことはできます。臭い玉の原因がお口の中の細菌であるということは、この菌の数を減らす・コントロールすることで、臭い玉ができにくいお口を作ることができます。
臭い玉は、誰にでもできる可能性のあるものです。ただし、臭い玉ができやすい人には、特徴があります。
臭い玉ができやすい人とは反対に、できにくい人にも特徴があります。
食事ごとに歯磨きを丁寧にして、うがいや水分を補給をマメに行うことは、臭い玉ができにくいお口を作る要因となります。
また、清掃性が高い正常な咬み合わせは、口腔内に細菌がたまりにくく、臭い玉の発生リスクを抑える事が考えられます。
臭い玉を作らないためには、臭い玉の原因であるウイルスや細菌、その死骸や食べかすを、喉に付着させないことが大切です。
例えば、歯磨き一つにしても、そのやり方によって、しっかり出来ている人と出来ていない人がいます。汚れをしっかり落とす方法を、歯医者の歯磨き指導などで身につけ、毎食後の歯磨きを心がけることで、お口の中の細菌を減らすことや、細菌やウイルスの死骸・排泄物を口腔外へ排出することに繋がります。
それでも、細菌やウイルスが喉へ着することを100%防ぐことはできません。物理的に細菌やウイルスを取り除くためには、こまめにうがいをすることも重要です。
さらに、口呼吸も細菌やウイルスを口腔内に招き入れる大きな原因となります。口が開きやすい開咬や上顎前突、汚れや細菌が溜まりやすい叢生などの不正咬合を治すことで、清潔で細菌やウイルスが生息しにくい口腔内環境を作ることができます。
あるとき鏡で口の中を見てみると、喉の奥に白い玉のようなものを見つけて「これは何だろう?」と不安になった人もいるのではないでしょうか?
そこでインターネットなどで検索すると「自分で取れた」「自分で取る方法」などが出てくるかもしれません。
臭い玉はくしゃみなどと一緒に、突然排出されることがあります。しかし、自分で取るのは危険ですので、やめておいた方がいいでしょう。せめて自分やるならガラガラうがい程度にとどめておきましょう。
臭い玉は病気ではありませんので、それがあることで身体が不調になるようなことはありません。無理やりピンセットなどで取ると、扁桃腺や組織を傷つけ、さらなる病気や口臭の原因になってしまうこともあります。
どうしても取りたい場合は耳鼻咽頭科に相談するか、口臭が気になる場合は原因を探るため、歯科医院に相談してください。
臭い玉を自分のお口の中に見つけた人が「取りたい」と思うのは、その臭いによるところが大きいのではないでしょうか?
臭い玉は潰れると強烈な臭いを発します。そのため、口臭が気になる人が臭い玉を見つけると「これのせいだ」と思い込んでしまうのも仕方がありません。
しかし、口臭の原因は臭い玉だけではありません。もちろん臭い玉が原因の場合もありますが、それは一時的なものである場合多いです。慢性的に強い口臭がある場合、他の病気や原因が疑われます。
口臭の原因の8〜9割はお口の中に原因があると言われています。代表的な口臭の原因は歯周病や虫歯、歯石や舌苔などが考えられます。
これらの口臭の原因のほとんどは、歯医者さんで予防・改善が可能です。口臭が気になる場合は、臭い玉の可能性も含めて、まずは歯医者さんにご相談ください。
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